収益事業~その意義と範囲~

収益事業~その意義と範囲~

 

法人税法上の収益事業とは、次のように定義されています。

『販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。』

つまり、次の三つの要件に該当するものが収益事業であるといえます。

  1. 収益事業課税の対象となる事業に該当すること。
  2. 継続して行われること。
  3. 事業場を設けて行われること。

 

    1. 収益事業課税の対象となる事業
    2. これは、販売業、製造業の他、法人税法施行令第5条において、34の業種が限定列挙されています。
1.    物品販売業

2.    不動産販売業

3.    金銭貸付業

4.    物品貸付業

5.    不動産貸付業

6.    製造業

7.    通信業

8.    運送業

9.    倉庫業

10.  請負業

11.  印刷業

12.  出版業

13.  写真業

14.  席貸業

15.  旅館業

16.  飲食店業

17.  周旋業

18.  代理業

19.  仲立業

20.  問屋業

21.  鉱業

22.  土石採取業

23.  浴場業

24.  理容業

25.  美容業

26.  興行業

27.  遊技所業

28.  遊覧所業

29.  医療保健業

30.  技芸教授業

31.  駐車場業

32.  信用保証業

33.  無体財産権の提供業

34.  労働者派遣業

 

  1. 継続して行われる
  2. 上記の34業種に該当するものでも、それが単発的なものであり、継続して行われなければ、収益事業には該当しません。この場合の『継続』には事業年度の全期間を通して行うものの他、次のようなものも含まれます。
      1. 準備期間が相当長期にわたる事業
      2. 例えば、演劇や音楽などの見せ物で短期間に行われるものであっても、その準備等の期間が相当長期にわたるものは、継続して行われる事業に該当します。

 

      1. 毎年一定時期に行われる事業
      2. 例えば、夏場の海水浴場の席貸しのように、定期的に反復して行われるものは、継続して行われる事業に該当します。

 

      1. 交互に反復して行われる事業
      2. 2以上の類似する事業を交互に、又は反復して行っている場合には、それぞれの事業ごとではなく、その全体を通じて継続性を判断します。

 

(3)事業場を設けて行われる

事業場を設けて行われるものでなければ収益事業には該当しません。この場合の事業場とは、機能的にみた事業活動の拠点であり、必ずしも固定的なものだけとは限りません。例えば、移動販売のように、場所が移動するものであっても、事業場を設けて行っていると判断されます。