医療法人と法人事業税

医療法人と法人事業税

医療法人と一般の事業会社とでは、税務上の取扱いが異なる点があります。
具体的な税目として法人事業税について、説明いたします。

 

1,医療法人と法人事業税

法人事業税において、医療法人が、一般の事業会社と異なる点は、以下の点が挙げられます。

(1) 社会保険診療報酬等に係る所得の非課税
社会保険診療報酬等に係る所得については非課税とされています。

(2) 税率
医療法人は事業税上の「特別法人」に該当します。

自由診療等に係る所得の金額のうち年400万円までは3.4%の税率が適用され、年400万円を超える金額は4.6%となります。(東京都H31年9月30日まで不均一課税・軽減税率適用)

(3) 中間申告、予定申告が不要
確定申告税額の金額に関係なく、事業税の中間申告は必要ありません。

(4) 外形標準課税
外形標準課税の適用はありません。

 

2,社会保険診療報酬に対する非課税措置

 医療法人の法人事業税は、所得金額を基礎に計算します。社会保険診療報酬に対する事業税の非課税措置(地方税法第72条の23第1項ただし書き)とは、社会保険診療にかかる収入と経費をそれぞれ所得金額に算入しない、つまり非課税にするというものです。

 

(1) 医療法人等の範囲
① 医療法第39条の規定による医療法人

② 医療施設に係る事業を行う農業協同組合連合会
③ 公益法人等で医療事業を行うもの
④ 人格のない社団等で医療保険業を行うもの

 

(2) 計算書類
事業税の申告では、「医療法人等にかかる所得金額の計算書」によって、所得を社会保険診療分と社会保険診療以外の事業分に区分します。

なお、法人税の申告で、租税特別措置法に規定する社会保険診療報酬の所得計算の特例(いわゆる概算経費)の適用を受ける場合には、「医療法人等にかかる所得金額の計算書」は作成する必要はありません。

 

(3) 区分の方法
事業税が非課税となる社会保険診療に係る所得金額は、医療保健業の総収入金額に占める社会保険診療分の医療収入金額の割合で按分計算します。

算式で表すと以下のようになります。

 

(4) 申告
事業税の申告は、事業年度終了の日から2ヶ月以内に以下の申告書や添付書類を、主たる病院・診療所等の所在地の都道府県に提出します。

・6号様式(申告書)
・6号様式別表5(所得金額に関する計算書)
・医療法人等にかかる所得金額の計算書
・雑収入明細書
・貸借対照表
・損益計算書
・法人税別表4
・その他欠損金の有無等によって提出する書類は変わります。

 

(5) 留意点
事業税は、都道府県税ですので各都道府県によって申告書の様式・添付書類や収入の区分基準が異なる場合があります。実際の計算書、申告書の作成にあたっては、申告する都道府
県の手引き等をご確認ください。

2017年7月28日

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