外国子会社合算税制の概要
世界的にみると、法人税そのものや、利子・配当に対する源泉税がない、
または、税率が非常に低い国や地域があり、これを一般にタックスヘイブンといいます。
このタックスヘイブンに子会社を設立して、日本国内の親会社の所得を子会社に移転し、
子会社から親会社に配当をせず、所得を留保すれば、法人税が課されないか、課されても
極めて低い税率で済むことになります。
このような子会社は、実体がない場合が多く、実質的に親会社の所得であることがほとんどです。
何の政策も講じないと、国内外で法人税がほとんど課されないこととなり、
課税上、極めて大きな問題といえます。
そこで、タックスヘイブンに所定の子会社を有する法人については、課税所得の計算上
その子会社の所得金額をその法人の収益とみなして益金の額に算入し、
もし、その子会社から配当等を受けた場合には、国際的二重課税を排除するため、
その配当等のうち、課税済みの所得に達する金額は益金の額に算入しない制度が設けられています。
これを、外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン税制)と呼びます。
同税制の対象となる外国子会社(特定外国子会社等といいます)の要件は、次のとおりです。
●居住者及び内国法人等に発行済株式等の50%超を保有され(つまり日本からの投資割合が50%超)
その外国子会社の本店又は主たる事務所が、税が存在しない国又は地域に所在しているか、
その外国子会社に対する税負担割合が20%未満(いわゆる「トリガー税率」)であるもの。
他方、同税制の対象となる親会社の要件は、主として、その外国子会社の発行済株式の10%以上を
直接的又は間接的に保有していることとなります。