公益法人に係る法人税の概要

公益法人に係る法人税の概要

 

民法34条に基づく従来の公益法人は、原則として法人税の納税義務はなく、収益事業のみが課税されていました(これを一般に「収益事業課税」と言います)。

では、改革後の公益法人課税はどのように変わったのか、概要は以下の通りです。

 

【公益法人】

公益法人は、法人税法に規定する収益事業から生じた所得には法人税が課税されますが、このうち、公益目的事業に該当するものは除外されます。要するに、法人税法上の収益事業であっても公益目的事業であれば、法人税は課されないということです。

また、収益事業に属する資産のうちから公益目的事業のために支出した金額は、その収益事業に係る寄附金とみなされます。これを「みなし寄附金」といいます。

このみなし寄附金の損金算入限度額は、所得金額の50%相当額と公益法人特別限度額のいずれか多い金額とされています。

更に、

・寄附金に係る譲渡所得の非課税の特例(措法40)

・寄附金に係る相続財産の特例(措法70)

・利子等に係る源泉所得税の非課税

 

 

【一般法人】

一般法人は、非営利型法人と特定普通法人の2種類に分けて考えます。

 

  1. 非営利型法人

収益事業課税であることは、公益法人と変わりありませんが、他の税制上の優遇措置は公益法人に比べ縮小されています。

・みなし寄附金の適用はない。

・寄附金に係る譲渡所得の特例が適用できるのは、非営利型法人のうち、非営利性が徹底された法人のみ。

・利子等に係る源泉所得税は課税。

 

  1. 特定普通法人

上記(1)に該当しない一般法人は特定普通法人と定義されています。

この特定普通法人は株式会社などの普通法人同様、全所得課税となり、税制上の優遇措置はありません。