医師国保に自家診療の報酬請求ができない理由

2017/10/20

医師国保で自家診療の保険請求ができない理由

医師が医師の家族や従業員に対し診察し治療を行う事を「自家診療」といいます。

自家診療の診療報酬請求の取扱は加入する保険医療制度の保険者により取扱がことなります。

協会けんぽでは自家診療の報酬の保険請求はできますが、医師国保では一般に保険請求が制限されています。

では何故、自家診療の保険請求ができないのでしょうか。調べてみました。

1.東京都医師国民健康組合

「当組合並びに全国の医師国民健康保険組合では、自主財政の確立を図る自己努力の一環として、自家診療については保険請求をしないことになっており、当組合の規約・規程によりこれを制限しています。」

2.北海道歯科医師国民健康保険組合

「私たち歯科医師は、医師・薬剤師とともに医療の一端を担っており、適正な医療の供給のために医師国保、薬剤師国保が自家診療に対する給付を制限していることから、当組合でも社会通念からみて、保険請求を制限すべきとの判断で、平成26年4月以降のすべての被保険者(高齢者組合員は除く)に対する自家診療は、給付対象外となりますので、十分ご留意いただきますようお願い致します。」

3.北海道医師国民健康保険組合

「勤務する病院で本人やその世帯員・准組合員(従業員)に対する診療を行なうという、いわゆる自家診療の問題があります。当組合は、北海道という広域的事情を考慮して、組合発足当初から自家診療については理事会の承認制即ち、緊急の場合や地域的な状況による条件付給付の制度を採用しております。自家診療を制限している理由は、経済的(保険財政)側面倫理的側面の二面からです。」

医師国民健康保険組合の自主財政の確立を図るために家族や従業員の診療報酬の支払を制限するという事が多いようです。

また倫理的側面や社会通念からみてという文言もあり、身内に対する診療報酬を皆様から集めたお金である保険から支払う事はよろしくないと考えているようです。

しかし、北海道では広域的事情から緊急の場合は例外的に認める場合もあるようです。財政より医療が優先されてよかったです。