分掌変更による役員退職給与(退職の事実認定)

分掌変更による役員退職給与(退職の事実認定)

 

 

分掌変更による役員退職給与において、重要な論点となるのが、「実質的に退職したと同様の事情にある」か否かという点であります。引き続き、経営上の主要な地位を占めていると認定された場合には、役員退職給与は否認されてしまいます。否認された場合の課税上の影響は非常に大きく、法人税、所得税(申告所得税)、源泉所得税の3つに影響を与えます。

  1. 法人税
  2. 役員退職給与としての取り扱いが、定期同額でない役員給与としての取り扱いとなり、全額が損金不算入となります。

 

  1. 所得税(申告所得税)(通常は給与所得の方が、税負担は重くなります)
  2. 退職所得としての取り扱いが、給与所得としての取り扱いとなります。

 

  1. 源泉所得税(通常は給与所得の源泉徴収の方が金額が大きいため、徴収漏れとなります)
  2. 退職所得の源泉徴収でなく、給与所得として源泉徴収することになります。

 

所謂、過大役員退職給与の問題であれば、不相当に高額な部分が法人税において損金不算入となるだけですが、分掌変更の場合は、全てが否定されてしまうため、特別な事情がない限りは、完全な退職による役員退職給与の支給が望ましいと言えるでしょう。